食事中のお皿にちょっと手を出しただけでガルガル言うようになってしまってる犬の動画を見てました。ちょっとチワワのコペリにもやってみようと思って試してみると?
コペリはご飯中に手を出すと食べるのを中断して不思議そうな顔。食べるの再開して体中を撫でてみたり、お皿の中に手を入れてフードを口に運んでみたり、食べてる途中のお口の中に指を入れて見たり。
色々いたずらしてみましたが「なにしてるの?」ぐらいの反応でした。お皿に手を入れると「どうしたの?」みたいな表情で食べるのを止めました。
犬が食事中に唸らないように育てるのは私の中では優先順位の高いしつけです。子犬を迎えたら必ずそこは気にして育てます。食事中に唸らない子に育てると穏やかな性格の犬になります。
逆に「唸る→威嚇→噛む」のように発展してしまった犬は他にも問題を抱えることが多かったです。
ただ食事中に触られても唸らない犬に育てる。それだけですが生まれ持った性格や環境によってはとっても難しいです。一度、唸る癖がついてしまった成犬を直すのはもっともっと大変。犬にダンスを教える方がよっぽど簡単です。
以下、食事中に唸る犬にしないための私の考え方です。
犬が食事中に手を出すと唸る ー 予防の方法
犬が食事中に唸る理由
犬が食事中に唸る理由は「じゃましないで欲しい」とか「取られたくない」と思うから。
遊びの延長で嬉しくてついつい唸り声を上げる子もいると思いますが、それだけならほとんど問題ないと思います。
でも唸りの原因が「不安」や「怒り」から来ている場合は大変。知らない間に「威嚇」や「噛みつき」にまで発展してしまうことがあるからです。そのままにしてしまうと他の場面でも唸ってしまったり噛んでしまう子になったりしますね。
食事中に唸っていた私の犬は、爪切りやトリミングなど他の場面でも唸ることがありました。逆に食事中に唸らないように育てた犬は穏やかな子になったり、無駄吠えやその他の問題行動もとても少ない子になりました。
そんな経験から意識するようになって、コペリもとても穏やかな子に育ちました。玩具のように食べ物も渡してくれます。
犬が食事中に唸る理由は人に食べ物を奪われてしまうかもという不安感です。少し強い言い方だと飼い主が食べ物を奪うかもという信頼感の欠如が原因になります。
そもそも人に物や食べ物を奪われてしまうという感覚がなければ犬が食事中に唸ることはありません。
犬が食事中に唸らなく育てるための予防方法
私の予防方法は人に食事を取られない事を教えると言うより「取られる発想をさせない」暮らし方をすること。安心しきった犬にしてあげれば唸る必要がなくなります。
食事中に唸る犬の直し方として食事そのものに着目した方法が紹介されたりしますが、食事中のしつけだけでは軽減できても直せないことの方が多いと思います。癖のついてしまった子を直すのが甘くないのは悩んでいる飼い主さんは体感してると思います。
必要なのは人は「いつでも与えてくれる存在」という安心感を犬にダイレクトに伝えること。一度も犬に奪われたと思わせてはいけません。そのぐらいの意識がないと上手くいきません。
またどんな時でも「人の手は良いもの」でなくてはいけません。「人は決して犬を傷つけない」という信頼関係も大事です。
「これだけやれば!」という方法はありません。
愛犬を食事中に唸る犬にしてしまう飼い主さんの行動は一つや二つに絞れないからです。犬の感じ方、個性によって原因は違います。
ある犬にとっては、飼い主さんの手で叩かれた経験があるだけでアウトです。
食事の時間や量、種類がいつもバラバラで「次はいつ食べれるの?」という不安が引き金になることもあります。
よくある「玩具で引っ張りっこをしたら、最後は必ず人間が勝たなければいけない」のような育て方も、遊びの中で「人は奪う」という意識を植えつけることがあります。
大事なのは愛犬がどう感じているかです。
子犬の頃なら簡単です。食事中は体に触れながら、直接口の中まで手で食べ物を運んだり、口の中を触ったり、食器に手を入れながら食事を手伝ったり、誰も食べ物を取らないことを経験させる方法はたくさんあります。
子犬が「そういうものなんだね」と分かる日まで続けると、守ったり訴えたりする必要がないことが伝わります。
食事中に唸る犬の直し方
食事中に唸る以外の問題行動をさせないようにする時も「問題行動の発想をさせない」ように暮らすだけで特別なトレーニングなしでも自然によい子に育ちます。
すでに問題行動を起こしている犬の頭の中には原因になる発想があります。
犬に何かを教える時にはトリーツを与えるのが定番ですが、ご褒美としておやつを使うのは食べ物が「犬の心に強く働く」からです。食べ物を使うと他の方法より簡単に指示を伝えられます。
食べることは犬にとって強力なプラスの刺激に働きます。逆に食べ物を取られる不安感は強いマイナスの刺激になります。犬にとって「食事を奪われる不安感」はご褒美の逆で、トラウマのような強い嫌悪感に繋がってしまいます。
一度、癖がついてからでは直すのが難しいのはこういうことが理由になってると思います。
直すために必要なのは「人は与えてくれるもの」という安心感を犬にダイレクトに伝えてあげることです。子犬と違って最初から奪われるという発想があるので与えられてるという感覚を強く伝えられるようにします。私ならとにかく唸る状況を作らないようにします。
トラウマのような発想はなかなか消えませんが、他の思い出で上書きすることができますよ。
でも食事中に唸ってしまう犬の心の状態は様々です。
犬の状態の深刻さによっては私たち一般人には無理な段階もあると思います。上手くいかなくて無理だと思ったらトレーナーさんや専門家に相談するのが近道だと思います
野犬を飼ったことがありますか?
この子は私が小学生の頃に、荒川の河川敷で倒れてた野良出身の子です。ガリガリのフラフラになっていたところを保護して私の子にしました。
今はないと思いますが昔の荒川の河川敷は野犬だらけの頃がありました。そんな道端の草原でクタ~っとしてたのがこの子です。
人に慣れた野良犬じゃなくて、もしかしたら本物の野犬だったのかもしれません。
人間大嫌いで誰にも懐かない懐かない…。大人になってから思ったのですが、この子もしかしたら社会化期も犬に育てられてたのかも。普通の街の野良犬と違います。
野生化した犬はこんな感じなのかな…みたいな。コヨーテとかディンゴみたいな。
すごく恩知らずで、ご飯食べて元気になった途端に私のことガブしましたよ。色々と問題のある子でした。不思議で面白かったけど 笑
大きな犬じゃないけどすごいジャンプ力で脱走の常習犯。忍者みたいに脱走しては、よく私の鶏を食べたり…そう!この子、私のニワトリ食べたんですよ!うわ最悪!
食事はお皿を置いた瞬間に威嚇しますし手を出したら本気噛みです。生死に関わる飢餓を感じたことのある子だから、食べ物に対する執着が強かったのかも。
お散歩中にトカゲ、バッタ、カエル、食べます。
結局、かなり改善したんですけど食事中の唸りを直すことはできませんでした。当時の私に専門家に頼る発想があったら迷わず直行してたはずです。主に他の問題行動でです 笑
苦労するけど少しずつ信頼関係を築いていって、そういう子の方が楽しい思い出がたくさんできることもあると思います。
私は子供の頃、体が弱くて走るのが苦手だったのですが、この子と暮らすようになったおかげで小学校のマラソン大会で入賞できるぐらい走るのが好きになりました。
夕方の散歩道を引っ張るこの子に負けないように外が暗くなるまで毎日一緒に走りました。
転んでリードを離してしまった時、私の呼び声に初めて反応して駆け戻ってくれたとき。
色んなこの子の顔をいつまでたっても忘れません。大好きでした。
唸ってしまう子も、時には噛んでしまう子も、それはその子の一面でしかありません。
できたら直せたほうがいいに決まっているけれど、そうでなくてもその子はその子。
犬も人も完璧である必要なんてないと思います。
もし唸りや威嚇の原因が、捨てられた悲しみだったり、怖かった過去の思い出だったりするのなら、家族にはその子の一生分の時間を費やしても解放してあげようとすることに価値があると思うんです。