PR

【犬の本】ジョン・ブラッドショー「犬はあなたをこう見ている」イヌの動物行動学を知ってると愛犬ともっと仲良しになれる!

犬のしつけ
この記事は約9分で読めます。
スポンサーリンク

実はチワワのコペリは犬なんです。我が家の三女は犬なのです。「急に何をカミングアウトしてるの?」と言われそうですが、お気づきですか? みなさんのワンコも実は…犬なんですよっ!

「えぇーっ!?」 なんて驚く人はいませんね。でも、人間と犬の違いをきちんと理解している飼い主さんは意外と少ないかもしれません。「犬は犬である」という認識は、ブレーズ・パスカルの「人間は考える葦である」という言葉と同じぐらい大事な心構えだと思います。犬は人とは違います。犬はオオカミでもありません。

最近、コペリの行く先々の公園やドッグランでは小さなトラブルを頻繁に目撃します。困った飼い主さんは犬を叱るのですが、犬はどうして叱られてるのか分からない。

犬が感じているのは「うちの飼い主はいつも急に怒って叩くの。怖くてとっても不安だよ」ということだけ。これでは問題行動は直りませんし、犬と飼い主の信頼関係も壊れてしまうかもしれません。原因は、犬がどう感じているのか「犬と人の感じ方の違い」を飼い主さんが知らないことにあります。

こんなシーンを見ていて、私にも何かできるかなと考えたときに思い付いたのが、動物行動学の本の紹介でした。

かの有名な”Tsukasa Domyoji(道明寺司)”も言ってますね。

「 Read the book – the book.(本を読め、本を)」と。

犬の本を読みましょう!

犬の感覚を知るための動物行動学

人間と犬の違いを知っていると愛犬との暮らしは楽しくなります。知らない犬とも仲良しになりやすくなりますよ。特に犬がどんな感受性で物事を捉えているかという点は、すべての飼い主さんが知っておくと幸せになれる知識です。

みなさん犬のことを知りたくなったらどうしますか? ネットで調べる? トレーナーさんを探す? シーザー・ミランさんの本を読む? それともヴィベケ・リーセさんの本?

一見、遠そうで近道になるのは、飼い主さん自身も自分で勉強してしまうことです。

色んな犬の専門家が色んなことを言ってますね。ある人は真逆のことを言っていたりするかもしれません。両方を聞いた飼い主さんは混乱してしまいますね。新旧の情報が入り乱れているからです。

考え方のベースとなってるものは動物行動学比較行動学と言われるものです。遺伝子研究や技術の発展とともに、動物行動学の分野では新しい事実が次々と明らかになっています。ぜひ新しい犬の動物行動学をチェックしてみてください。

飼い主さんが選んだしつけの本やトレーナーさんの考え方、その根本がどこから来ているのかが分かると、もっと柔軟に犬をトレーニングすることができるようになります。一般家庭でもオリジナルの訓練法を編み出せるぐらいワンコスキルが高まったりしますよ。

犬の行動学に関するおすすめの本

犬の動物行動学を知るための書籍。

ジョン・ブラッドショーの「犬はあなたをこう見ている: 最新の動物行動学でわかる犬の心理」

ペットの情報が溢れる現在。専門家による情報の中にも(特に古いものには)科学的に否定されている誤った情報が混在していることがあります。この本は犬のしつけ方法を紹介する本ではありませんが、この本を一冊読むと古くてデタラメな犬のしつけ方法とはサヨナラすることできます。

犬を飼っている人みんながこんな本を読んでいたら、公園やドッグランでガミガミ怒っている飼い主さんを見かけることがなくなるかもしれません。


犬はあなたをこう見ている: 最新の動物行動学でわかる犬の心理 (河出文庫)

原題は「Dog Sense: How the New Science of Dog Behavior Can Make You A Better Friend to Your Pet」。イギリスとアメリカでベストセラーになった動物行動学の本です。ちょっと翻訳にクセがありますが、2冊目に紹介している本よりもかなり読みやすいと思います。

著者はイギリスのジョン・ブラッドショー博士(twitter : John Bradshaw @petsandus)。

アダム ミクロシの「イヌの動物行動学: 行動、進化、認知」

イヌの動物行動学の初めての本格的教科書。犬の訓練士さんやトレーナーの方は読んでると思う。犬の愛好家から生物学者・心理学者・社会学者を対象ということですが、専門書なので人によってはサラっと読める一冊ではないです。

内容としては、その時点で犬について分かっていることがギュっとまとめられているので、興味のある方にはおすすめです。古い動物行動学を知ってる方なら、ニコラース・ティンバーゲンやコンラート・ローレンツの時代からこんなに変わったのかと驚かれると思う。


イヌの動物行動学: 行動、進化、認知

犬の動物行動学を知っていてよかったこと

自分の愛犬や知らない犬と仲良くなれます。犬の気持ちが分かると犬を楽しませることもできますよ。犬は楽しませてくれる人が好きなので、犬に好かれます。犬好きが動物行動学を知るメリットはたくさんあるので、別の機会にも色々書いてみたいと思います。

チワワのコペリのしつけ

コペリ家の犬のしつけは自己流ですが、ベースになってるのは動物行動学です。たぶん一番役に立っているのは問題行動の抑制です。しつけの方法はオリジナルなので、見てる人は不思議なことしてるな~って思うかもしれません。

少し犬の事を知っていると特別なトレーナーさんに頼らなくても家庭犬として必要なことはだいたい家庭でもできるようになりますね

イワン・パブロフの古典的条件づけとか、エドワード・ソーンダイクのオペラント条件づけ、バラス・フレデリック・スキナーのシェイピング法や強化理論など、基本的なことだけでも抑えておくと犬のしつけに役立ちます。

犬の問題行動を直したり、複雑な芸やお仕事を教えてるプロのトレーナーさんも、こういう基本的な原則を応用して色んなトレーニングをしています。

迷い犬を保護するときに

私はどういうわけか迷い犬とはよく遭遇してしまいます。子供の頃に保護できなかった犬が交通事故で死んでしまったこと。それが始まりで、たくさんの犬を保護してきました。

実家時代はすぐに家に連れて帰っては、祖母に叱られました。飼い主が見つからなければ全て飼う覚悟で連れてくるので。

私が保護した犬は、幸運にも飼い主さんが見つからなかったことはありません。暴れん坊のシベリアンハスキー。めっちゃ吠える柴犬。本気で怒るダルメシアン。かわいい雑種。こわい雑種。捨てられた子犬たち。

先日は夜中の路上で車にひかれそうなゴールデンレトリバーを保護しました。同じ町で犬を保護したのは2回目です。前回はチワワさんでした。

犬を保護しようとするときに一番大事なことは何だと思いますか?

噛まれないことです。

少しの犬の知識と経験でだいたい回避できるようになります。連れてけない子もいます。人を恐れている子や野犬として繁殖してしまった子は、素人の私には手に負えません。見かけた迷い犬を保護できるかできないかを見極めるのにも動物行動学が役立ちます。

迷い犬を保護するために必要なスキル

危ない道路から人も犬も安全に移動させるスキル。道路を走り回る犬をどうやって連れてくる? 首輪やリードのない犬をどうやって確保する? 動物行動学の出番です。

先日のゴールデンレトリバーの迷い犬

夜中の路上で大はしゃぎの元気な子。リードがないのが嬉しそうに走り回る大型犬。見ず知らずのこの子を安全に移動させるにはどうしたらいいのでしょう。

道路の真ん中を行ったり来たりするゴールデンレトリバー。自動車がなければ自分で帰れるはず。だけど道路で引かれそうになっている姿を見てしまったら、どうしても放っておくことはできませんでした。

まずは安全に確保すること。道路の反対側にいた自転車の男性が「おいで」と声を掛けましたが無反応。じゃあ「どうやったら関心を持ってくれるかな?」というのも動物行動学です。仲良くなるまでに10分。「何が好きかな」「どんな子かな」のヒントももちろん犬の動物行動学。

飼い主さんの探し方

この子の飼い主さんは3日後に見つけることができました。

実はこれワンコが教えてくれた部分がかなり大きいんです。発見場所から安全な場所まで1kmほど歩く間に、ゴールデンレトリバー自身が行動で住んでいる場所のヒントを教えてくれていました。

最後の最後は、直接、飼い主さんの家を見つけることが出来たのですが、ここで活躍したのが名探偵チワワのコペリの嗅覚だったりします。

迷い犬のゴールデンレトリバーは外飼いだったんですよ。検討はずれの近所の家のベルを鳴らしていたら、コペリが「あの楽しい子の家は、こっちだよ~!」って反応。ベルを鳴らした家の3軒隣が飼い主さんの家でした。

犬を見てると色んなことがわかりますね。ワンコがどんな暮らしをしているか、飼い主さんがどんな風に犬と接しているか。ワンコがとても陽気で元気なので、飼い主さんが良い人なのは間違いないです。

迷い犬を移動するとき

リードなし。手元に大型犬のリードにできるものは何にもなし。辛うじて見つけたのがビニール袋の口を閉じてたこの柔らかいヒモだけ。

 

ハーフチョークの首輪をつけてたので予想はしてましたが、柔らかいヒモはワンコが飛び出した瞬間に「プチーン!」と切れるし、ワンコは「タッタカター」と走り出します。

しょうがないから、その場でヒモを引っぱらないように歩き方を整えました。もともと出来る子なんだと思いますが、やっぱりゴールデンは賢い!あっという間に分かってくれて、隣をピタっと歩いてくれました。

結局、この切れやすいヒモをリードということにして1kmちょっと先の交番まで一緒に歩きました。動物行動学の知識が全くなかったらこれはできません。連れてくだけでも難しい場面があると思います。

現に、交番に来てくれた2人の警察官はゴールデンレトリバーをパトカーに乗せるだけでも苦戦していました。これがたぶん普通です。知らない大型犬が本気で抵抗したら怖いですもんね。

私は慣れているのでお手伝いしました。抱っこしてヨイショって(笑)

犬が好きな人は新しい犬の動物行動学もチェックしてみましょう

愛犬の行動で悩んでることはありますか? とくに問題行動はないという人でも「犬がもっと言うことを聞いてくれたら」とか「犬の気持ちをもっと知りたい」なんて思うことはありませんか。気になったらネットで調べたりしますよね。調べているうちに混乱してきませんか?

犬の情報はあふれていて、中には間違った物も混ざっているからです。

でも調べた情報のベースになっている考え方が動物行動学から来ているということを予め知っていれば、新旧を見比べるだけでおかしい所がどこなのかがすぐに分かります。犬の気持ちやしつけの本を読む前に、最初から動物行動学のことを知った方が近道の場合もあると思います。

例えば「引っ張りっこ遊びは人間が必ず勝たなければならない」← これ正しいですか

著者は世界的に有名な動物行動学者で獣医学博士のブルース・フォーグル博士。

だけど答えは「誤り」です。

この本が書かれたのは1993年。当時はまだ専門家でも分からなかったことがたくさんあったんですね。さらに古い本になると、80年代、70年代の本には、今では考えられないような「罰」のことが書かれてたりします。

新しい犬の情報に触れていない人たちは、昔の名残で間違えたしつけの方法を選択してしまってる場合があるのです。特に犬を人間のような感覚で擬人化して捉えてしまうと悪影響は大きいです。

犬と人間の感性の違いを知って愛犬との暮らしを楽いものにしましょう。ちょっとの知識で愛犬に思いを正しく伝えることができますし、犬も思いに応えてくれるようになります。

知らない犬たちとも仲良しになっちゃいますよ。